さまざまな法律関連業務を行います
東京都の司法書士について
東京都には令和5年時点で、東京司法書士会に所属する司法書士の個人会員が4,573人いて、司法書士法人会員が334法人あります。
司法書士とは
司法書士とは法律に基づいて仕事をする業務独占の専門職です。
司法書士法第一章第一条には司法書士の使命として以下のようにあります。
司法書士は、この法律の定めるところによりその業務とする登記、供託、訴訟その他の法律事務の専門家として、国民の権利を擁護し、もつて自由かつ公正な社会の形成に寄与することを使命とする。
e-gov 法令検索より
なお、司法書士法第一章第三条や司法書士法施行規則三十一条には司法書士の業務に関する事柄が列記されておおよそ以下の通りとなりますが、その内容は司法書士の業務ページでご案内している内容にあるようにさまざまな法律業務に及んでいて、司法書士には幅広い法律業務が期待されていることがわかります。
- 登記又は供託手続の代理
- (地方)法務局に提出する書類の作成
- (地方)法務局長に対する登記、供託の審査請求手続の代理
- 裁判所または検察庁に提出する書類の作成、(地方)法務局に対する筆界特定手続書類の作成
- 上記1~4に関する相談
- 法務大臣の認定を受けた司法書士については、簡易裁判所における訴額140万円以下の訴訟、民事調停、仲裁事件、裁判外和解等の代理及びこれらに関する相談
- 対象土地の価格が5600万円以下の筆界特定手続の代理及びこれに関する相談
- 家庭裁判所から選任される成年後見人、不在者財産管理人、破産管財人などの業務
財産管理業務について
司法書士は、司法書士法施行規則第31条1項1号に基づき、他人の財産管理を行うことができます。
この法律に基づく司法書士の業務は遺産承継業務、相続財産管理、生前財産管理、成年後見などに関する業務です。
第三十一条 法第二十九条第一項第一号の法務省令で定める業務は、次の各号に掲げるものとする。 一 当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱により、管財人、管理人その他これらに類する地位に就き、他人の事業の経営、他人の財産の管理若しくは処分を行う業務又はこれらの業務を行う者を代理し、若しくは補助する業務
身近な法律の専門家
司法書士は暮らしに役立ちます
例えば、相続に関しては誰もが関係してくる事柄ですが、相続人の確認や銀行口座の相続手続きなどご自身では難しい手続きも司法書士が代理で手続きすることができます。
相続が開始したら
いわゆる相続には亡くなった方(被相続人)の生前所有していた不動産や現金、預貯金、有価証券などの財産だけでなく、被相続人の借金などの債務や葬祭費などマイナスの財産が含まれます。
司法書士はこれらの財産、マイナスの財産を調べることから、相続する権利がある人(法定相続人)の調査、その後の相続登記などの相続に関する手続きまでお手伝いすることができます。
借金で困ったとき
借金のことでお困りの際にも、法律の専門家として司法書士がお手伝いできます。
借金の整理(債務整理)には、任意整理、特定調停、個人再生、自己破産などさまざまな方法がありますが、借入の原因や借入金額、本人の収入などの状況を勘案したうえで、司法書士が依頼人に適した解決法でお手伝いしてくれます。
また、これまで貸金業者に支払った金利の過払い分の返還請求(過払い金返還請求)なども司法書士の仕事です。
成年後見制度を利用したい
成年後見制度にはすでに判断能力が不十分となっている方が利用する「法定後見制度」と将来判断能力が不十分となったときに利用するためにあらかじめ後見人を依頼しておく「任意後見制度」があります。
司法書士は後見人に選任される資格があります。
また、成年後見に関する審判申立書類作成や関連する事務作業を行います。
そのほか暮らしにかかわる様々なこと
マイホームを購入した際の不動産登記、交通事故による紛争解決のお手伝い、敷金返還請求、滞納家賃支払請求、などや、法人登記や民事裁判など、法律が関わるお困りごとは司法書士に相談するといいでしょう。
東京都の司法書士個人会員は4,573人
東京司法書士会
どの都道府県でも司法書士会がありますが、東京都には東京司法書士会という団体があります。
明治5年に「司法職務定制」が制定され、司法制度を支える三つの基本的な職務として代書人・代言人・証書人制度の三つの基本的な職務が定められました。
この内の代書人が現在の司法書士の前身となっています。
大正8年の司法代書人法の施行により一般代書人と司法代書人が分離され、9月に司法代書人監督規程(東京地方裁判所)が設けられたのちの11月に、現在の東京司法書士会の前身となる東京司法代書人会が結成されました。
その後昭和10年に司法書士法施行により、司法代書人から司法書士に名称変更され、昭和25年に東京法務局の管轄区域内に事務所を有する司法書士によって東京司法書士会が設立されました。
東京司法書士会は、千代田支部、中央支部、文京支部、港支部、台東支部、墨田・江東支部、品川支部などの29の支部で構成されています。
司法書士会とは
司法書士会は、司法書士法に基づいて各法務局(地方法務局)単位に設立された司法書士の業務の適正を図るため会員の指導連絡の事務を行うことを目的とした組織で、司法書士(司法書士法人を含む)によって構成されます。
なお、司法書士はその事務所の所在する地域に設立された司法書士会に入会しなければ業務を行うことができません。
東京都には東京司法書士会に所属する司法書士の個人会員が4,573人いて、司法書士法人会員が334法人となっています。(令和5年時点)
東京都内2か所に総合相談センター
東京司法書士会では、電話による無料法律相談(司法書士ホットライン)のほか、県内2か所に総合相談センターを設置して対面での無料法律相談を実施しています。
ほかにも各支部による無料相談会を開催しているほか、身体が不自由な方など、事情により東京司法書士会が実施する常設無料相談会に行くことが難しい東京都在住の方を対象に、司法書士が、区役所・市役所・学校その他の公共施設、などに訪問して相談を受ける出張による無料法律相談も行っています。